10月の営業日

3月28日にオープンした当店はこれでオープンから半年が経ちました。おかげさまでひと月ひと月を追うごとに、お店の流れが見えてきたような気がしていますが、まだまだ1年を通してやってみないことには分からないという側面もあります。

さて、先日のことですが、「来てみたくて今日初めてきました」とお客さんからお声がけいただいたことから会話が始まり、「お店を開いてくださってありがとうございます!」なんていう素敵は言葉まで投げかけてくださいました(涙!)。

それを聞いたとき、私のなかでは「そうだよね! お店欲しかったよね! もっと買い物できるお店が増えて欲しいよね!」と叫びたくなりました(笑)。

私は首都圏で育ち成人し、さまざまな国や街を旅したりもしてきました。その頃の楽しみといえば、お買い物。一番は路面店めぐりです。街並みを歩いて、発見した(自分だけが発見したかのような喜び)路地を入ってみて見つけるお店めぐりです。どんな「お店」があってどんな人や物に「出会える」か、何を「発見」できるかを楽しみに暮らしてきました。今もそうです。そうやって歩くことがその街の空気を知る一番いい方法だと思うからです。

海外暮らしを2年ほど経験すると、”東京”ばかりにしがみつくのもなんか面白くないかもしれない、これからは地方暮らしの素晴らしさを「発見」して暮らしていくべきでは? と思い始めて20代半ばではじめて長野に暮らし始めました。そしてすぐに気づいてしまうのです、買い物の楽しみが長野には少ないことを。そのことが少し(いやかなりの!)ストレスでもありました。そのうちお店は増えるかもしれないという淡い期待を抱いていましたが、飲食店は増えるものの、「街をぶらぶらお買い物」という行動の欲求は一向に満たされず、買い物がしたくなれば新幹線で東京へ行きストレス発散(笑)。

けれど長野にだって人は多く暮らしているのだし、私と同じような物足りなさを感じでいる人はきっと多いはずでは? でもみんなどこでお買い物を楽しんでいるんだろう? きっとネットか県外か? と長いこと長野のお買い物事情についてどこか不思議さを感じていました。

街に人が出なくなった。と地方ではよく耳にします。それを聞く度に、「なにも見るものがなければ人は出向かないだろう…」とふつふつと、。何かがあれば人は見に来てくれるはず。「見せ(店)る」場所がないのだから「見に」くる人もいるはずもなく。

景気は良くならないのかもしれない。消費は少なくなるのかもしれない。けれど人は暮らし、暮らすからには生活するための道具も必要なのです。買う人が少ないからお店もやらない、売らない、物を置かない。。そうなのかな? 少なくとも私は物が欲しいし道具も使いたいから買いたい。なぜなら必要だから。必要なのに買える場所がないというのはとてもストレスを抱えることになります。

私だけではないはず。「欲しいのに見つからない」「ネットで買えるけど実物がやっぱり見たい」そう感じているのに、しょうがなく今日もネット検索をしている人が、私以外にもきっといるはず! 

そんなことが、私がお店をやりたいと思ったきっかけです。

「お店をやったきっかけは?」「こういうお店で働いてたの?」とはよく聞かれる質問です。話せば長くなるのでその場では簡単な話しかできませんが、きっかけは、ずっと買い物が好きで生きてきた人間なので、買い物ができる場所をつくりたかったから。そして、販売員の仕事はしてこなかったけど、買い物は大好きでずっと買い物+街歩きを楽しんできた人間だから、高校生のころから記憶に残っている素敵なお店はいつまでも脳裏に残っているものだから、頭の中でのシミュレーションは完璧!(ではないけれど笑)だから。

今の風景とはまったく違う、本当に素敵な街歩きを楽しめた、私が高校生時代の代官山、表参道、中目黒、下北沢etc. 。あのころオリーブ(雑誌)を熟読しながら毎週のように、買えないお買い物に出掛けたのが私の記憶に染み付いています。あの頃のお店のオーナーさんたちに伝えたい。憧れだったたくさんの「いい物」「いい空間」を、まだ子どもだった私たちに「見る体験」をさせてくださってありがとうございました! そしてなにより「オリーブ」にはいつも感謝が絶えません。私の人生のバイブル。*今でもオリーブの雑誌は全部とってある! 

長野でもそんな楽しいお買い物ができたらいいな。そんなことを夢見ています。そう、私は”商売”がしたかったのではなく(取引先のベテラン職人さんには「こんな時代に商売がしたいのか???」と心配気味に問い詰められましたが、今となってはそれも面白エピソード)、”買い物がしたかった”のです! 私は売る側だけど、お買い物を楽しみに出かけてくるお客さんの気持ちが一番よくわかっているかもしれない(←大げさ…)店主です。 

買い物熱。スミマセン、熱く語りました。

今月もお買い物楽しんでくださいね。