思いを馳せる台所用品・民芸

長野県内の各地で今も作り続けられている伝統工芸品や民芸品の数々。山の谷間では木工が盛んであったり、竹の繁る山では山を守ることにもつながる竹細工であったり、米作りが盛んな地域では農作業の傍で人々が作り伝えてきた藁細工であったり。

自然と共に営まれてきた工芸の技が、昔よりはとても少なくなってしまったとは言え、いまでも職人さんたちの手によって大切に守られ細々と伝えられています。

そういった工芸品や民芸品の多くは台所用品として重宝されているものが多いことに気がつきます。 オーロラキッチンでは、現代の暮らしに違和感なく、むしろ優しさまでも届けてくれる民芸品と、普段使っている器や調理道具などとの取り合わせを、さまざまなスタイルでご提案してまいります。

「今じゃもう作る人も少ない」と衰退の状況をただただ嘆くのか。それとも古くからあるものの良さを見出して、現代でも「使いたい」「使ってみたい」と思う人を増やすのか。私は今だからこそ後者を選択してみました。

例えば、竹のかご

かごはとても素敵です。しかしその価格を見ると購入には少し躊躇してしまうこともあるでしょう。私はその価格の裏側にも少し耳を傾けたり、「なぜ?」と、少しだけでも想像力を働かせていただけたら、と思っています。

物の価格は、それが作りだされるのに費やされた時間と労力により算出されるのではないでしょうか。

竹はどこに生えていて、それは誰が刈り取りに行くのか。採ってきた竹は誰が割いて「竹ひご」という素材にするのか。竹ひごを使って編むのは誰か。どんな人か。

実は、これらの行程は分業ではなく、職人さんそれぞれがすべてお一人で行っていらっしゃることなのです。それはいったい何日間の行程でしょう。どんな山道を入って行かれるのでしょう。どんな季節に山に入るのでしょう。

そんなことを想像してみると、手に取った竹かごの価格に納得がいくような、もしくは、それでも「まだ安い」のではないか、という様々な思いが巡ってくるかもしれません。

思いを馳せる

伝統工芸品や民芸品がただただ「贅沢品」なのか、それとも製品作りだされた背景に思いを馳せてみると、頭の下がる思いにも至るのか。そんなふうに物を通してさまざまなことに人それぞれが「思いを馳せて」いただければ、職人さんたちもきっと喜んでいただけるのではないか、次の製品作りへの活力に繋がっていけるのではないかと思っています。

私が願っているのはただただ”丁寧な暮らし”を実現することではありません。物の価値はどんな背景で決められるのか、そんなことにも想像力を活かせられれば、世の中の循環がもう少し穏やかになるのではないかと考えているのです。

想像力は優しさを運んでくるはず。そう願って当店のサブタイトルに「思いを馳せる台所用品・民芸」と付けております。